おたより帳の息子へのことば

息子が保育園に通っていた頃のことです。
彼が通う保育園は、年中さんになると、契約しているスイミングクラブでスイミング教室が始まります。
幼い頃から保育園に通っていた子どもたちは、年中・年長さんたちがプールに通うのをうらやましく思い、
年長さんになるのを楽しみにしているのです。
息子も年中さんになって、いよいよスイミング教室が始まりました。
毎週火曜日に、保育士さんたちと送迎バスに乗って行って練習をしていました。
男の子ですから、水遊びは大好きです。
当初はとっても喜んで張り切って出かけて行きました。
一度、父兄も同行させてもらいましたが、それはもうみんな大はしゃぎで、
館内は子どもたちの歓声でいっぱいでした。

 

そのうち、なぜか火曜日になると園を休みたがるようになったのです。
単なる甘えだろうと思っていましたが、毎回嫌がるので、理由を聞いてみました。
すると、スイミング教室に参加したくないというのです。
びっくりして話を聞いてみると水に顔をつけて泳ぐ練習が始まったそうなんです。
息子はまだ上手くできないらしく、少し恐怖感をいだいていました。
「練習すれば、できるようになるよ」と励ますと、
「練習してて、もしおぼれても助けてもらえない」と答えます。
「そんなことないよ。先生たちが、ちゃんと見ててくれるから、すぐ助けてくれるよ」と言うと、
「ムリだよ。いっぱい子どもがいるから、見つけられないよ」と言います。
要するに、園児が多くて先生の目が全員に届かない、だから自分がおぼれていても
気づいてもらえないかもしれないという不安感で、参加したくないと思うようになったようです。

 

そこで私は、『おたより帳』に、「△△先生へ。○○君(息子)が、プールでおぼれそうになった時に、
先生に気づいてもらえないんじゃないかと心配しています。
△△先生、おぼれそうになったら、助けてあげてくださいね」と、書きました。

 

すると、その日に戻ってきた『おたより帳』に、
「○○君、先生にまかせてください。○○君がおぼれそうになったら、先生がすぐに行って助けますよ」
と書かれていました。それを私の書いたことばと一緒に声に出して読んであげると、
息子はニヤッと笑って、「本当かなぁ〜」と言いながらもうれしそうでした。

 

それからの息子は、何事もなかったかのようにスイミング教室に参加するようになりました。
先生の頼りがいのあることばで、息子はプール嫌いにならずにすみ、
これは後日談ですが、息子は小学生になっても、スイミング教室に通い続けたのです。
今でも、そのときの△△先生の絶妙なコメントに感謝しています。